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姿勢改善専門としてパーソナルトレーニングの指導を円山で行う飯田です。
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腹筋運動の理解
上体起こしはリスクのあるトレーニング
昨年末、日本バスケットボール協会が推奨できないトレーニング方法として上体起こしを挙げたことをご存知でしょうか。(詳しくはこちら)
この記事をご覧になった方の反応も様々ですが、アメリカでは何年も前から発表されていた話です。
では上体起こしはどんなリスクがあるのでしょうか。
上体起こしのリスク
上記の記事によれば、
背骨の形状などによって個人差はあるが、力がかかった状態で腰を曲げ伸ばしするとヘルニアなどの障害が起きる。できるだけ背骨を摩耗しない方法で腹筋を鍛える方が腰痛のリスクは少ない。
とあります。
つまり、仰向けで膝を伸ばす曲げるに関係なく脊柱に負荷がかかった状態での背骨の曲げ伸ばしはヘルニアを誘発させる可能性が高いということです。
これは、スポーツ選手にかかわらず腹筋を鍛えるために上体起こし(クランチやシットアップなど)をされている方はヘルニアの危険が伴うということを理解しておきましょう。
では、腹筋運動自体を控えたほうが良いのでしょうか。
腹筋運動は危険なのか?
腹筋運動の中でもシットアップやクランチなどは、脊柱の一部である腰椎を屈曲(まげる)させるトレーニングです。
つまり腰椎ヘルニアの危険が伴うのは腰椎に腹圧がかかり曲げ伸ばしが繰り返しされることですので腰椎を繰り返し動かさない種目であればリスクは低くなります。
たとえば、腰を丸めずに上体を起こす「カールアップ」やうつ伏せから肘や手で持ち上げた体を支える「プランク」など。
使える腹筋の話
以前に使える腹筋ってどんな腹筋かという内容を投稿しました。
まさに、この記事にぴったりな内容でしたが腹筋は日常生活や競技などで活かされなければそれはただの見せる腹筋です。
[aside type=”warning”]注意
見た目をよくするために必要ならば無駄なことはありませんが、上体起こしでの鍛え方は上記のリスクがあるので慎重にトレーニング種目をチョイスしましょう。 [/aside]
日常生活で腰を丸める動作はあるでしょうか。
重い荷物を持ち上げるときなどは多少の腰を丸めるような場面があるでしょう。理想は、背骨がまっすぐでスクワットやヒップヒンジの形ですが常にその姿勢をとれるとも限りませんので。。
しかし、重いものを持って背中が丸くなるのは、ほとんどが屈んだ姿勢ではありませんか?
重力に逆らって起き上がるような上体起こしのケースはほとんどないのではないでしょうか。(レスリングや柔道、格闘技での寝技から回避する時などでは必要なシーンがあるかもしれません。)
理想の腹筋トレーニング
腹筋が日常で使えるパターンを挙げてみました。
- 背中が反りすぎないように抵抗する力(抗伸展)
- 身体が回りすぎないように制御する力(抗回旋)
- 身体が横に振られないようにする力(抗側屈)
つまり、本来使われてほしい腹筋の役割の大半は、外部からの力に対して身体のぶれを最小限に抑えることです。
まとめ
上体起こしのような脊柱の曲げ伸ばしの動作のトレーニングは、ヘルニアのリスクが高いことをまず理解しておきましょう。
[aside type=”warning”]注意
たまに“腰痛は、腹筋が足りないから”と言ったような間違いだらけの話を聞いたりしますが、決して上体起こしを行うことだけは避けてください。 [/aside]
しかし、だからといって腹筋運動が危険という話ではありません。
目的に合った正しい鍛え方をすれば、日常や競技でのパフォーマンスアップにつながります。
もちろん、姿勢改善のためにも腹筋はよく使われますし、効果も正しく行えばとても高いです。
ニュースとなればマイナスなイメージとして腹筋運動全てを否定の目で見てしまいがちですが、みなさんには正しく情報を理解していただき、より健康でたのしく日常を送っていただけたらと感じています。